スポーティなカレラから登場した、全身ブラックの日本限定モデル。
タグ・ホイヤー最新の自社製キャリバー、ホイヤー02を搭載した旗艦コレクションであるカレラのなかでも、44mm径ケースを採用したよりスポーティなシリーズであるスポーツクロノグラフにモノトーンな日本限定が登場した。
タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 スポーツクロノグラフは、2020年に一新されたカレラ コレクションの一部でSSケース+ブレスレットの組み合わせを基本としている。本機はそのなかで初めてブラックDLCを施したSSケースが採用され、マットなアリゲーターストラップが合わせられている。スーパーコピー時計針やインデックスまで黒でまとめられており、ブラックセラミック製のベゼルの艶めきが一層引き立つ印象となった。価格は72万6000円(税込)、日本限定で300本の販売となる。
ファースト・インプレッション
本機は、今年発表されたタグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ ポルシェスペシャルエディションや160周年リミテッドエディションなど、すでにいくつかの限定モデルやバリエーションを持つカレラ スポーツクロノグラフにおいて唯一無二の個性を備えたモデルだ。過去のレビュー記事で、僕はこのシリーズが万人に向けて作られたものだと書いたのだが、オールブラックのモデルとなるとそうではなく、より強い個性を求める人たちに向けられたものと言えるだろう。
このシリーズの軸となっているのは2011年からの開発期間を経て誕生した、自社製キャリバー ホイヤー02である。シュヴネにある自社工房で製造されるこのムーブメントは、垂直クラッチと見ためのアクセントにもなっている赤いコラムホイールが特徴だ。そのCal.ホイヤー02を眺めることのできるシースルーバックには、オールブラックの本機のなかで唯一グリーンのサファイアクリスタルが配されており、現在の腕時計のトレンドカラーがさりげなく取り入れられている点も心憎い。
新世代のカレラ スポーツクロノグラフは現代としては珍しく大きめな44mm径であることが、つける人を選ぶ時計である。2010年代の中ごろ以降、デカ厚とはいかないまでも存在感ある大きめなケースを採用することが多かったカレラなので、このサイズ提案がされることはとても納得できる。堅牢性に配慮されたCal.ホイヤー02を採用することからも、丈夫なでスポーティなクロノグラフというコンセプトがしっかり貫かれている。
そのカレラに、もうひとつ何か個性を欲していた人にとって、本機は絶好の1本となると思う(逆にオーソドックスな高級感を求める人にはしっくりこないだろう)。まだ実機を見ていないけれど、オールブラック仕様によってサイズを感じさせない引き締まった印象を受けるし、従来のようにラバーストラップでなくマットなアリゲーターを合わせているところに品のよさを感じる。本意気のスポーツ仕様でなく、あくまで現代的なスポーティさを表現した本機は、存在感のある時計を都会的につけたいあなたにこそふさわしい1本だと思う。
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